レポートを上手く書くならこの本がおすすめ

文中における引用表示|引用したあとの参考文献の書き方を解説する

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そこで本記事では以下の悩みを解決します。

  • 文中における引用表示の方法をくわしく教えてほしい

レポートで引用をしたら、その文中で「どの文献を参考・引用したのか」をしめさないといけません。

つまり、参考文献リストだけではなく、参考文献をしめすための注(=文献注)を文中につける必要があるのです。

そこで本記事では、最もオーソドックスな「文献注の書き方」を紹介します。

書き方はいろいろあるので、「絶対にこの方法で書け!」というものではありません。教員から書き方の指示があった場合は、それに従ってください。

要点

他者の意見を自分の文章にとりこんだら、その直後に必ず参考文献を示さなくてはならない。書き方は(著者名 出版年: ページ)。

※本記事では実際の論文を例文として使用しています。孫引き(引用文の引用)をしているので、レポートを書く際はマネをしないように。また、文献注の書き方を統一するために、原文の文献注を一部書き直しています。

文献注の書き方(基本)

文献注の書き方は、2通りあります。

二通(2009)によれば、……である。

二通によれば、……である(二通 2009)。

どちらを使ってもOK。ただし、どちらかひとつの書き方で統一しなくてはなりません。本記事では下の書き方を中心に解説します。

基本的な書き方は以下の2パターンです。

ページ数が分かる場合

(著者名 出版年: ページ)

文献全体から引用している場合

(著者名 出版年)

文献注はページ数を書く場合と、ページ数を書かない場合があります。

ページ数を書くのは、直接引用のように引用箇所のページ数が分かる場合。

ページ数は書かなくていいのは、「この分野にはこんな文献がありますよ」というように文献の提示をする場合や、文献全体で言っていることをまとめて引用するような場合です。

文献注の使用例

基本的に文献注をいれるのは、引用をした “すぐあと” です。

引用した部分から少し離れたところにいれるのはダメ。もちろん、引用の途中でいれるのもダメです。

直接引用をするとき

直接引用をするときは、「 」のあとに文献注をつけます。

間接引用をするとき

文が終わっていなくても引用が終わっていたら、文献注をすかさずいれていきます。

引用したすぐあとに文献注がないと、引用してない部分まで引用したことになるからです。

文献の提示をするとき

文献の提示をするときは、名前のあとに出版年をつけておけばいいです。

文献注のさらに詳しい書き方

ここまでで、基本的な「文献注の書き方」はマスターできたはずです。

ここからは、発展編。文献注の書き方をさらに詳しく紹介します。

著者と出版年が同じ文献が複数あるとき

(清水 2008a)
(清水 2008b)

同じ著者で、同じ年の文献がある場合は、2008a、2008bというように、出版年にa、bをつけて区別します。

引用が複数ページにまたがるとき

(清水 1979: 68-9)

(Hyland 1999: 341-2)

複数のページにわたって引用するとき、「初ページ-終ページ」を記載します。このとき、

341-342 → 341-2

というように、重複している位の数字は省略します。

ページの書き方はさまざま

本サイトでは、ページ数にp.を付けない書き方を採用しているが、この他にも書き方はさまざまあるのでここで紹介しておく。

  • 1ページのみの場合
    (清水 2010: 53)
    (清水 2010: p.53)
  • 複数のページの場合
    (清水 2010: 53-6)
    (清水 2010: p.53-56)
    (清水 2010: pp.53-56)
    (清水 2010: pp.53-6)

特に指定がないのなら、どの書き方でもOK。ただし、どれかひとつの書き方で統一して書かないといけない。

著者が2人のとき

(上村・大井 2004)

(Cohen and Arato 1981)

著者が3人以上のとき

(岩垂ほか 2001)

(Zald et al. 1995)

ファーストオーサーのみ記載して、「ほか」「et al.」をつけます。

編書の場合

編者が1人のとき

(栗原編 1996)

(Hall ed. 1979)

編者が2人のとき

(宮島・梶田編 1991)

(Johnston and Klandermans eds. 1995)

編者が3人以上のとき

(舩橋ほか編 1998)

翻訳書を引用するとき

(Goffman 1961=1984)

(Goffman 1961=1984: 78)

訳書の場合、(原著者名 原書の出版年=訳書の出版年)とします。

異なる著者の複数の文献をあげるとき

(砂川 1989; 鎌田 2000; 二通・佐藤 2003)

同一著者の複数の文献をあげるとき

(砂川 1989, 2000)

(Swales 1986, 1990)

新聞を引用したとき

(『朝日新聞』2021.9.6朝刊)

新聞を引用した場合、参考文献リストに書く必要はありません。参考文献というより資料としての意味合いが強いからです。

そのため、文献リストに書かない代わりに、文献注にくわしい情報をのせます。

ネット上の情報を引用したとき

(著者名 出版年)

基本的な書き方は、ほかの文献と同じです。

ただし、著者名や出版年がわからなかったりする場合は、書き方が多少変わります。書き方はこちらで解説しています。

ネットからの引用|文中における引用表示の書き方も解説する

まとめ

要点

他者の意見を自分の文章にとりこんだら、その直後に必ず参考文献を示さなくてはならない。


本記事を読んだ人は、

他者の意見をレポートにとりいれたら、必ず文献注を書く

ということを癖つけてほしい。

自分なりの表現で書いた文だとしても、元ネタが他者の意見だったら、文献注を書きます。間接引用になるからです。

この間接引用が意外と難しい。こちらの記事でくわしく解説しているので気になる人はどうぞ。

間接引用の書き方|間接引用はただの「要約」ではないことを解説する

参考にしたサイト